【大人のピアノ独学】『チェルニーの本当の目的』STEP4 ~ピアニッシモ~

上級者用

今回は「PP」について解説していきたいと思います★(*^-^*)

PPは強弱記号で「とっても小さく」という意味を表しますね。

あなたはPPが出てきた時どのように弾いていますか。

音量を下げる為にどのようなことをしていますか?

ちょっと考えてみてくださいね。

そして次のような事を意識したことはあるでしょうか。

  1. 呼吸
  2. 鍵盤に触れる指の感覚

1,2のことについて今回解説していきたいと思います★

目次

PPはメッセージが強いところ。

「PP]ってみると、とっても弱くだから、音量をガクンと落として弾きますね。

時には、「PP」を無視して弾いてしまう人もいるでしょう。

でも、実はそんな「PP」にこそ、作曲家の想いが強いところであり、音量こそ弱くともエネルギーは強いんです‼(*^-^*)

例えば有名な曲として、「戦場のメリークリスマス」がありますね。あの曲は冒頭しばらく「P」(弱く)ですが、Pだからこそ聴く人の心に届く切なさがありますよね。

他に、ショパンの夜想曲Op9-2も全体的に決して音量が大きい曲ではありませんが、やはりこの曲も非常に愛されるクラシックの名曲です。

実は私たち人間は、弱いけど響いている音に非常に感動を示します。

では、「弱いけど響く音」、人を感動させられる音を出すには、どのように弾けばよいのか考えていきましょう!

呼吸

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先ず、意識するべきことが「呼吸」です。

実はチェルニー30番練習曲は出だしがPやPPもで始まる曲が結構多いです。更にチェルニーは短い曲の中で頻繁に強弱の変化を求めています。

このことからもチェルニーは指の練習のためにこの教材をつくったわけでは無いことが明白ですね。

ザ・指のトレーニングは、ハノンのような教材です。ハノンには強弱記号は書かれていません。

指を動かすだけのトレーニングに強弱を書く必要は無かったからです。

ではなぜチェルニーは強弱記号を書いたのか。

指を動かすトレーニング以外のことを学習者に学んで欲しかったからですね。

さて、ピアノという楽器は「歌」や「管楽器」とは違い呼吸をしなくても実は弾ける楽器ですね。

歌の場合、呼吸をしなくては声が出ないから、必ず呼吸を伴います。

そしてその呼吸は1種類ではないですね。

大きく深く息を吸うときもあれば、素早く浅く息を吸うときもあります。これは、次の音に合わせた呼吸であり、歌うときは私たちは自然に呼吸の種類までも使い分けられているんです。

しかしどうでしょう・・・ピアノを弾いているとき、あなたは呼吸と伴って音楽が出来ていますか?指だけに一生懸命になっていませんか?

そう、強弱の変化は呼吸の種類を伴ってつくるものであるのです。そうでなければ非常にとってつけた表現になってしまいます。

呼吸を利用して出した音は非常にナチュラルで、その後の自然な息の流れをつくります。

スピードと強弱によって呼吸の種類は変わりますね。わかなくなったら、メロディーを歌ってみるとよいでしょう。

本来ピアノも歌と同じように様々な音質、音色を操れるものです。冒頭の出だしも、しっかり息を吸って弾き始めましょう。

鍵盤に触れる指の感覚

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ピアノを弾く時に、鍵盤に触れる部分にかかる重みを意識したことはありますか?

実はそこの感覚を捉えて音が出せるようになると、表現の幅は全く変わってきます。

これにはゆっくりな練習をじっくり積み上げる必要がありますが、先ずは意識することから始めましょう。

私たちには10本の指があります。

10本ですよ!ピアノを弾いている時は右手5本でひとくくり。左手5本でひとくくりになっている方が少なくはないと思います。1本1本に意識をもつということは、1本1本の指にかかる重みが把握できている状態のことを言います。この時、脳と指の動きが連携されているので、指のコントロールもスムーズにできます。

逆に脳と指が連携されていない状態だと、弱く弾きたいのに音が出すぎてしまったり、ということが生じます。

特に和音で弾くところ。音が細かいところは音がコントロールしにくくなりますね。

先ずは意識から始めましょう。

片手ずつ、指番号を1音1音読みながら弾いていくんです。とても地味で大変ですが、こうすることで今自分が何の指で弾いているのかを脳が把握できるようになり、更に脳が把握したことで指自体にも自然と意識がいき、タッチの感じ方も変わってきます。

PPは音が薄くなるわけではない。

さて、最後にPPのタッチについてです。

弱い音を出そうとすると、打鍵する速さを遅くし、更に鍵盤の深さを浅くしてPPをつくろうとする人が少なくありませんが、これではPPも響きをつくることができませんし、もはやPPにしない方がマシです。

鍵盤の深さを浅くしてしまうと、ピアノに張りめぐされた弦はちっとも響いてくれないからです。

ピアノの鍵盤はいつどんな時でも、一番下までしっかりタッチをしなくては、「いい音」は出ません。

だからと言って力ずくで鍵盤を押すのもこれも実は響きにはなってくれないんですね。

気難しい楽器です。

肩、腰を落として楽にしましょう。そして肩(もっと言えば背中)から腕の重みを指に流すイメージでエネルギーを指先まで届けます。この時指はしっかりとしていなければなりません。ふにゃっとしないように・・・

このようなことを意識して鍵盤を押すと、自然と鍵盤の奥底まで打鍵をすることができます。

指にきちんと重みがかかっているからです。

PPは打鍵をするスピードを変えることによりつくることができます。

慣れてくると、鍵盤に指が吸い付いてくる感覚が分かってくるかもしれません。

ちょっと細かくなりましたが、音楽を一からつくるということは、結局は1音1音との向き合い方から始まります。

でもこれは難しい曲を勉強することよりも遥かに意味があるものであり、楽しいものです。

時間は要しますが、でもこうした勉強を積むことで「あなたの音を」を是非見つけてくださいね♪

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